本記事では後遺障害に関する基礎知識をお伝えいたします。
後遺障害に関する基礎知識
後遺障害(後遺症)とは?
後遺障害(後遺症)とは、適切な治療を行ったにもかかわらず、完全な治癒(完治)には至らず、将来にわたって体の不具合が残ることを指します。これは単なる痛みや不快感だけでなく、日常生活や就労能力に影響を与える可能性のある継続的な症状を含みます。
症状固定とは?
症状固定とは、一定期間、適切な治療行為を行った後、医学的に認められた治療を継続しても、これ以上の回復が期待できなくなった状態を指します。具体的には、症状が悪化も改善もしない、つまり治療の効果が見込めない状態を意味します。
症状固定と判断された時期以降に残存する痛みなどの症状は、後遺障害(後遺症)の問題として扱われます。 この時期の決定は非常に重要で、一般的に症状固定時期までは治療費が認められますが、それ以降は支払われなくなります。
症状固定までは後遺障害(後遺症)の程度が確定しないため、損害額も確定しません。そのため、症状固定を待ってから、すべての損害の賠償を請求することになります。
後遺障害等級認定とは?
後遺障害(後遺症)の認定は、損害保険料率算出機構が行います。しかし、この認定を受けることは決して簡単ではありません。特に、むち打ちや骨折後の痛みが残るようなケース(このような事例が多いです)では、認定を受けることが困難な場合があります。
後遺障害等級は1級から14級まであり、これらは後遺障害(後遺症)による労働能力の喪失度合いに基づいて決定されます。等級が上がるほど、障害の程度が重いと判断されます。
異議申立てとは?
後遺障害(後遺症)の等級認定に不服がある場合、異議申立てをすることができます。この手続きにより、先になされた等級認定が見直され、より上位の等級に認定される可能性があります。
異議申立ての回数に制限はありませんが、再審査の必要性を認めてもらうためには、主治医の協力も得る等して、後遺障害診断書以外にも追加の医療資料を用意し、元の等級認定が適切でないことを明確に示す必要があります。
損害保険料率算出機構とは?
損害保険料率算出機構は、事故により被った後遺障害(後遺症)の程度を判断し、等級認定を行う機関です。
そのため、適切な等級認定を受けるためには、詳細かつ正確な後遺障害診断書やその他の補足資料が非常に重要となります。これらの資料を適切に準備し、提出することが、公平な評価を受けるための鍵となります。
軽度の後遺障害でも諦めないでください
軽い後遺障害の場合でも、そのままにしておいたり、泣き寝入りしてしまうことは決して良くありません。被害者の権利を守り、適切な賠償を受けることが重要です。